国境なき医師団のお仕事 「HIV罹患率24%という事実」の現場
HIV罹患率24%という事実、これは実際に直面するとかなり重いです。
このホーマベイという地域は世界でも最も罹患率が高いエリアの一つ。
そしてHIV患者は基本的に長期入院はせずARV(抗レトロウイルス薬)を飲みながら
普通の生活をしている。ということはスーパーマーケットにいっても、市場を歩いてもそこにいる人の4人に一人はHIVにかかっているということで。ここに着任した当初はその非現実的な状況に若干、戸惑いを覚えたというのが正直な感想で。
そして医師団の仲間たちはHIV対策のため、日々医療施設が不足している農村部を中心にHIV検査と啓蒙活動を行ってます。ボクも活動内容のは把握のためにこの前、その活動に参加してきました。この活動には名前がついていてその名も「ムーンライト」思わず”ながら”?と思ってしまったのはちょっとマニアな人かもしれませんが、
それはさておき。
このムーンライトはその名が示すとおり夜に行われます。
昼間働いている男性は忙しくてなかなか検査が受けられない。それにHIVテストを受けに行くところを同僚や知人に見られたくない。そんな人たちを対象にしているので、日が暮れた夜の間、HIVの無料検査を実施するんですね。
そしてこれが現場。こんな風にテント内の個室で医療コーディネーターが採血しその場で検査。結果がわかるまでわずか15分です。検査を受ける側も、見学するボクも結果がでるまでドキドキの15分間。ポジティブ(陽性反応)がでたらガックリ、、、どころではないっすから。目の前で検査を受けている若者がポジティブかネガティブかすぐに結果がでます。「オレ、ここにいていいのか?」という戸惑いと「万一(というか1/4だけど)ポジティブだったら気まずいぞ。」とか「ネガティブでありますように!」とか、いろいんなコトバが頭の中で回っていました。
ちなみに検査結果をまっている間にコンドームのつけ方の実演が美人コーディネーターによって行われます。これもなかなか衝撃的。検査を受けてる若者も「お姉さん、ここで実演するんすか?」と驚きを隠せない様子で。微妙に緊張した空間がちょっと和やかな雰囲気になります。
そして結果発表!今回の若者は「ネガティブ(陰性)!」でした。良かった良かった。ただこの後、違う結果となった夫婦の検査に立ち会うことに。その話はまた次回。