国境なき事務員 (国境なき医師団の事務員の現場レポート)

2018年、汐留の広告代理店から国際医療NPO「国境なき医師団」へ転職。現在、アドミニストレーター(事務員)としてケニアでのHIV対策プロジェクトで働いてます。尚、このブログはあくまで高多直晴の個人的な経験や考えを掲載しています。国境なき医師団の公式見解とは異なる場合もありますのでご了解ください。

国境なき医師団のお仕事 「HIV罹患率24%という事実」の現場

HIV罹患率24%という事実、これは実際に直面するとかなり重いです。

このホーマベイという地域は世界でも最も罹患率が高いエリアの一つ。

そしてHIV患者は基本的に長期入院はせずARV(抗レトロウイルス薬)を飲みながら

普通の生活をしている。ということはスーパーマーケットにいっても、市場を歩いてもそこにいる人の4人に一人はHIVにかかっているということで。ここに着任した当初はHIVが不治の病ではなくなっていると言っても、その中で暮らすことは非現実的な感覚と若干の衝撃があった。

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このテントで一日約150-200人、男性に限らずカップルや小・中学生などのHIV検査を実施します。


そして医師団の仲間たちはHIVを少しでも予防するため、毎日医療施設が不足している農村部を中心にHIV検査と啓蒙活動を行ってます。ボクも活動内容のは把握のためにこの前、そこに参加してきました。この活動には名前がついていてその名も「ムーンライト」思わず”ながら”?と思ってしまったのはちょっとマニアな人かもしれませんが、

それはさておき。

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ムーライトといえば「ながら」若いころ良くお世話になりました。

このムーンライトはその名が示すとおり夜に行われます。

昼間働いている男性は忙しくてなかなか検査が受けられない。それにHIVテストを受けに行くところを同僚や知人に見られたくない。そんな人たちを対象にしているので、日が暮れた夜にHIVの無料検査を実施するんですね。

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手前が検査を受けに来た若者、奥の方にいるのが検査を行うコーディネーター 、それから顔が映ってない白いTシャツの人は同僚の医師マイク。

そしてこれが現場。こんな風にテント内の個室で医療コーディネーターが採血しその場で検査。結果がわかるまでわずか15分です。検査を受ける側も、見学するボクも結果がでるまでドキドキの15分間。ポジティブ(陽性反応)がでたらガックリ、、、どころではないっすから。目の前で検査を受けている若者がポジティブかネガティブかすぐに結果がでます。「オレ、ここにいていいのか?」という戸惑いと「万一(というか1/4だけど)ポジティブだったら気まずいぞ。」とか「ネガティブでありますように!」とか、いろいんなコトバが頭の中で回っていました。

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机の上の茶色の棒が模造チンコ。なんというかお国柄を感じます。


ちなみに検査結果をまっている間にコンドームのつけ方の実演が美人コーディネーターによって行われます。これもなかなか衝撃的。検査を受けてる若者も「お姉さん、ここで実演するんすか?」と驚きを隠せない様子で。緊張した空間がちょっと和やかな雰囲気になります。

そして結果発表!今回の若者は「ネガティブ(陰性)!」でした。良かった良かった。ただこの後、違う結果となった夫婦の検査に立ち会うことに。その話はまた次回。