国境なき事務員 (国境なき医師団の事務員の現場レポート)

2018年、汐留の広告代理店から国際医療NPO「国境なき医師団」へ転職。現在、アドミニストレーター(事務員)としてケニアでのHIV対策プロジェクトで働いてます。尚、このブログはあくまで高多直晴の個人的な経験や考えを掲載しています。国境なき医師団の公式見解とは異なる場合もありますのでご了解ください。

今さらL’Arcのhydeになりたくてドレッドにしてみたら、

この「L’Arcのhydeになりたくて」というタイトルだけで世間様から「オマエ、もう死んでいいよ。」という言葉が聞こえてきそうですが。まあその辺はテキトーに聞き流してですね。先週hyde風ドレッドしちゃいました。

 

f:id:st-maria1113:20180731184611j:plain

アフリカの大地たたずむと何かと無謀な挑戦をしたくなるんすよね。

そもそもラルクのファンでもなんでもない。曲とかも全然知らないボクが何故にhydeになりたくなったかというと。それは先週の金曜日のこと。「久しぶりにカラオケでXJapanの紅でも歌いてえなぁ。でもカラ館も新宿リボン(歌舞伎町のコスプレ・カラオケバー)もケニアにはないしなあ。」とか思って。仕方なく自室にこもってYoutube「紅」動画見ながら1人歌ってたんです。そしたらその流れでラルクが出てきて。

やたらカッコいいドレッドのボーカルが野外ライブしはじめたんです。それみてもう一目惚れ。「なんだこのカッケー、ニイちゃんは?」ボク、最近までのラルクhydeとXのHIDEの違いすらわかんかったくらいで。まじまじと"hyde"をみたのはそれが初めて。四半世紀分ほど遅れて衝動的に思っちゃったんです。

「あぁ、オレこのボーカルの人みたいになりたい。」

アフリカに来てから4カ月。最近いろんな状況にちょっと飽きてきてて。ここらで一発、人生に変化が欲しかったんでしょうね。そんな気分の時にちょうどhydeがあらわれて「変わるならコレだな」みたいに思ってしまったんです。紅、絶唱後だったので多少、脳ミソもいっちゃってたのかも。

 それにしても

18才の頃は「ドブネズミみたいに、美しくなりたい。」と思っていたのに、

48才になる今になって「ハイドみたいに、美しくなりたい」と思っているとは。

ボクはどこで、どう間違ってしまったんだろう。

とはいえ「人生は間違いも、失敗も全てに意味がある」みたいなことを鎌倉の偉いお坊さんが言ってたので。ボクがhydeになりたいと思ったことにもきっと意味があるハズ、と信じたい。

で善は急げ。早速、hydeのドレッドヘア写真を片手にナイロビの美容室に直行しまして。受付のお姉さんにお願いしたんです。

ハロー、このフォトの兄ちゃんみたいな髪型にしたいんやけど?

えーっとスミマセン、お客様。言っている意味がよくわかりませんが。

ほじゃけん、エクステつこーてこの兄ちゃんと

おんなじ髪型にしてくれっちゅーとるんよ。

店長ぉ、、、なんか変なお客さん来ちゃったんで、店長が相手してもらえますかぁ。

ということで店長登場。

お客様。今日はどういったご要望で。

だからさ、この写真の兄ちゃんみたいにしてほし

いんすよ

ほお、面白そうやねえ、OK!

ということで店長登場であっさり商談成立。

 

f:id:st-maria1113:20180731184638j:plain

エクステのドレッドは二人がかりで二時間ちょい。店長曰く「こんなん女の子にしかしたことあれへんで」

店長の説明によるとボクの髪はエクステには少し短いけど、なんとかなるハズ。

ただこのボーカルのエクステはかなり長いから髪結いも

 二人がかりで二時間くらいかかるらしい。

ということでエクステ&ドレッド作業開始。

 二時間の時を経て、ケニア版のhydeが完成、、、

 

f:id:st-maria1113:20180731190831j:plain

カラーだとアップに耐えられなかったので掲載はモノクロで。なんかインチキ書道家のプロフィール写真みたいになっちゃった。

のハズがどうみても写真のhydeと鏡の中のボクは同じ惑星の住人とは思えない。

なんてこったい、、、むしろ「海街Diary」の福田のおっちゃんじゃね?

(ちなみに映画ではリリーフランキーが演じてました。話はそれるけどリリーさん、最近、男性版の樹木希林みないなポジションになってるよーなきがするなぁ。)

 

f:id:st-maria1113:20180731191326p:plain

f:id:st-maria1113:20180731184620p:plain

海街Diaryの福田仙一氏。カレはカレで味があるんだけど、、、。

その後、このドレッドの思わぬ二次的な効果があって。

実はケニアでは日本人とか中国人とかまあアジア人全般に対して(それはひどい)人種差別が蔓延していて。

一日に(マジで)10回くらい「チンチョン」(中国人への蔑称)とか「カラテ見せろー」とか言われて、更にいきなり空手で挑みかかるヤカラもいる始末。

でもラルクhyde 海街の福田のおっちゃんヘアにしてから、これが一気に激減!

 街を歩くとあのウザい「チンチョン」の代わりに「ヘイ、ラスタマン!」「その髪型いいねえ!」「めっちゃクールやん!」とやたらと声をかけられまくりで。それは、おそらくラスタ文化(ラスタファリ)がケニアで深く広く定着していることが影響しているとおもわれ。ちなみにラスタファリっていうのは、あのボブマーレーが歌っていたレゲエ音楽の元にもなってるアフリカ回帰の宗教文化運動なんですけど。

f:id:st-maria1113:20180731184746p:plain

ボブマーレーのイラスト入りミニバス。ラスタ&レゲエ系のペイントはアフリカ全般でかなり人気。やたらとジャマイカ国旗とボブマーレーを見かけます。

スゲー乱暴に説明するとラスタファリズム=アフリカ最高!っていう考え方で。つまりドレッドヘア=ラスタマン=アフリカ最高主義者(=めっちゃアフリカ好きなオヤジ)という図式が、彼らの中で勝手に出来上がるようです。

それに男子の坊主率99.9%という男子全員が坊主国家のケニアでは長髪、ポニーテールのおっさんという存在自体が本当に珍しいようで。中国系とかカンフー系という既存イメージをブッ飛ばすほどラスタ系のインパクトがあった模様。事の良し悪しはおいといて強い外見的な個性ってのは、ちょっとしたレイシズムなら超越するインパクトがあるのかも。

どうせなら、このまま地毛延ばして本物のドレッドにしちゃおうかなあ。