病院でHIVテストを受けてきたっス。
先週、運営している病院でHIVテストを受けてみたっス。実はこれが2回目。一回目は4月に受けてまして。なぜボクが4月にHIVテストを受けたかというと「もしかしたらワシ感染したかもしれん」という”心当たり”があったからなんです。
HIVは基本的に血液感染なので原因のほとんどはセックスなどの皮膚接触の際に血液が体内に入り込むことで起こります。つまりお互いの皮膚表面の(毛細)血管が摩擦によって破れて出血し、そこからウイルス感染するんですね。(母子感染や注射針の使いまわしなどほかの感染原因もあるけど。成人の感染経路はほとんどがコレ)。裏を返せばどんなにHIVポジティブの罹患率が高い地域で暮らしていても、注射針を使ったドラッグや買売春などせず普通の生活をしてる限り、SEXの際コンドームをつけていれば感染するリスクは非常に低いのです。一般人は誰かと拳を交えた血みどろの戦いを日々を送る“ストリートファイター2”や“鉄拳”(詳しくは下記「ハイスコアガール」参照ください)のような特殊な生活でもなければ、ほとんどの場合、感染しません。
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そんでもって、ボクの”心当たり”はセックスではなくちょっと特殊な状況の方でして。特殊といってもストリートファイトではなく、それは綱引き。遡ること3カ月前、このBlog で以前紹介したHIVポジティブの子供たちを集めたカウンセリングのリクリエーション活動(文化祭と運動会のミックスみたいなカンジ?)に参加したときに綱引きをやったんですよね。そこで子供たちに交じってザラザラの綱を引きまくったボクの手のひらはボロボロになってしまい。気づいたら出血しておりまして。「アレ?血ぃ、出とるやんワシの手。これヤバくね?」と思った訳です。その日、宿舎に帰ってからHIVの専門医師(「眠り病」でも相談したシェアメイト)のチャールスに早速相談。
「今日のイベントでなあ綱引きやったら出血したんよ。心配じゃけえHIVテストしてくれんかのう(涙)」
「綱引きで感染?そんなん大丈夫に決まっとるやろ。どれどれ手のひら見してみい?」
「ほら、こんなカンジ。」
「ただのかすり傷やん、、、ってかもう全然、出血の跡ないやん。綱引きやから、直接の皮膚接触ないんやろ。全然、心配することあれへん。まあ100%安心とはいえんけどな。感染確率はほぼないで。」
「でもでも、やっぱ心配やんか。血とか出てたし。」
「しゃーないなぁ。今度、テストしちゃるきに。ただ万一感染しとっても潜伏期間があるんけんテストは2回やらんとアカンで。4月に一回目にやって結果がネガティブでも、2-3ケ月後にもう一回や。」
「うん、わかった。」
という経緯がありまして。今回、2回目のテストを受けた次第です。
今回は二回目だけど、やっぱりHIVテストを受けるのはドキドキです。まずはスクリーニング(第一次テスト)用のキットを開封。このスクリーニングテストでHIVの抗体反応を調べます。テストで抗体反応があった場合はHIVが体内に入った経歴があるということなので「ポジティブ(陽性)」ということになります。もしスクリーニングがポジティブの場合は精密検査(2次検査)でHIVの進行レベルを調べます。
まずは指先にチクっと針をさして血液を採取。
それを試験紙の左側にたらして10分ほど待ちます。
(なんか小学生の時のリトマス試験紙みたいだ。)
すると試験紙の右側のコントロールと呼ばれる方に全て被験者に対して1本線が現れます。これは試験紙が正常に機能しているかどうかチェックするもので、もし線が現れなければ新しい紙を使って再検査です。左側は被験者(ペイシェント)と呼ばれ、血液中のHIV抗体の有無を調べます。もし左側に1本線が現れると結果はHIVポジティブ(陽性)。つまり右側一本だけの線ならネガティブ(陰性)で左右に1本ずつ線があらわれるとポジティブということになります。
目の前の試験紙を採血された自分の血液が浸透していきます。
試験紙を眺めている10分の間「もし自分にポジティブの結果が目の前に現れたらどうなんやろなあ。」と想像してました。他人にバレたら再就職する場合は不利になるんだろーなあ。家族、親族との関係も結構気まずくなる可能性もあるよなあ。友人、知人も戸惑うだろうなあ。忘年会でフグ鍋とか行っても一緒にたべるの嫌がる人もでてくるだろうなあ。もしも六本木のキャバで王様ゲームが始まってもオレ一人仲間外れかなぁ...などなど。いろんな想像がアタマの中をかけめぐります。
そして“ドキドキワクワク”の10分間が経過。結果は、右側だけに線一本!ということでネガティブでした。(医師チャールスの言う通り、ボクはちょっと心配性だったのかもしれません。)
もしポジティブだったら、、、医学的意味での心配事は以前にくらべてかなり軽減されているものの社会的な意味での心配事はまだまだとても大きいのが現実で。ボクはもう40代後半の事務のおっちゃんなので、HIVになった場合の社会的リスク(心配事)といえば多少の人間関係と忘年会のフグ鍋と王様ゲームくらい。でもこれが10代の若者だったらキッツイよなあ。就職、結婚、親子関係、恋人友人関係などなど山のように心配事(というか過酷な現実)ありまくり。そういった意味でHIVってARV薬とかの医療ケアと並行して、若い患者へのカウンセリングとかの心理ケアってマジで重要だよなあ。と改めて思った次第です。
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