「昨日、ボクの父ちゃん結核で死んじゃったんだ」話をする詐欺少年クンたちの話。
今日、仕事場から歩いて帰っていると12才くいらいの少年Aと8歳くらいの少年Bの2人が近寄ってきた。2人ともボロボロのTシャツにボロボロのゴムぞうり。この辺りの典型的な貧乏少年のスタイルだ。
アフリカの田舎では、非黒人(白人とかアジア系とか)が町中をあるいているとほぼ100%ガキども、もとい、子供たちが「ムズング(白人)How are you!!!!」と声をかけるくる。カンフーの真似ごとをしながら「ハイ、ジャッキーチェン」などと叫びながら挑みかかろうとする輩も少なからずいる。これが正直、かなりウザい。2人の少年はそんなアフリカンなガキ共と比べると、ちょっとお行儀よく話かけてきた。
※ここからは臨場感を出すために会話形式でお届けします。
少年A:おっちゃん中国人?それとも日本人なん?
オレ:ワシは日本人じゃ。ワレはケニア人かいのう?
少年A:オレはケニア人に決まっとるやん。
少年B:ボクもケニア人やで。おっちゃんはここに住んではるん?
2人ともなかなか愛嬌のある笑顔だけれど。「いちいちガキと相手すんのめんどくさいなあ。早くウチに帰って、たっぷりベーコンのクリームパスタ作りてえなあ」と内心で思いつつ会話を続ける。
オレ:そうじゃ、ワシの家はこのすぐ先じゃ。
少年A:ところで日本人のおっちゃん。相談があるんよ。
オレ:なんじゃい?
少年A:(少年Bを指さしながら)実は、、、こいつのオヤジ、昨日死んでもうてん。
オレ:な、なんやて!マジか!
少年A:マジや。そんで明日が葬式やねん。
オレ:そら、大変じゃのう。
少年A:そやねん、コイツの家、貧乏やからオヤジがおらんようになって、
めっちゃ大変やねん。そんでな日本人のおっちゃん、
葬式代やとおもてコイツにカネやってもらえへんやろか?
オレ:(やはりそう来たか、ガキどもよ。)
その前にな、一つ聞いてええか?オマエの父ちゃんなんで死んだん?
少年B:父ちゃんはHIVになって、その後TB(結核)で死んだんや。
オレ:ほう結核かい。そら辛いのう。ところでお父ちゃんどこの病院行っとったん?
少年B:(思いがけない質問にしばし沈思黙考)
少年A:(しどろもどの少年Bにかわって)すぐそこの公立病院や。
オレ:お前らなあ、大人に嘘ついたらいけんわい。
ガキどもよーく聞けよ。ワシはそこの病院で働いとるんじゃ。
(本当は病院じゃなくて、その近くの事務所で働いてるんだけどね。)
今週、あっこの結核病棟で死んだ患者は71才のバアさんだけじゃ。
お前のオヤジは71才のバアさんなんけ?
2人:、、、、、、。
少年A:やべええ、バレちった。 ( ̄∇ ̄;)ハッハッハ。
日本人のおっちゃん。また今度!SEE YOU!
そういって悪ガキ二人は悪びれることもなく去っていった。
この「オヤジが死んじゃった」詐欺や「母ちゃんが病気」詐欺は、途上国のガキ共が良く使う小遣い稼ぎの手口だ。そういえば去年、カトマンズにいった時も似たようなのがいたし。こいつら地下ネットワークでつながっとるんかい、と思うほど手口が似ている。以前のボクなら「ちょっと騙されてやろうかなあ」「もしかしたら、1%くらいの確率でホントの話かもしれないしなあ」と思って、50円くらいくれてやったかもしれないけれど。
さすがに職業上、病気ネタ、HIVネタの詐欺少年にひかかってやる訳にはいかない。
少年たちよ、悪いが他所をあたってくれたまえ。ということで本日の教訓。
「国境なき事務員なめんてんじゃねーぞ、ゴラァ!!」